玲の看護婦日記
第2話
大輔先輩のお世話をしようと張り切っていたのに、主任に頼まれて内科へのヘルプに1週間出ていたので、大輔先輩にはあれから会えないでいた。
朝6時、大輔先輩のいる病室へ。
事故の相手の方のご好意で大輔先輩は特別室に入っている。
「大輔先輩、おはようございます。」
あっ、まだ寝てる・・・大輔先輩、寝顔かわいい・・・。
「大輔先輩、朝の検温ですよ。起きてください。」
「あぁ・・・ん・・・・・・あれ?玲ちゃん?」
「おはようございます、大輔先輩」
私は笑顔で挨拶し、体温計を大輔先輩に渡す。
「玲ちゃん、俺の担当って言っていたのに、全然こないんだから・・・さみしかったよ」
「すみません、内科へヘルプに行っていたんです。」
「そうだったのか、じゃあ今日からはずっといるの?」
「はい、先輩のお世話させていただきますね。」
「学生じゃないんだから、先輩はいいよ。」
「じゃあ・・・大輔・・・さん」
「うん」
なんだか恥ずかしくなって、私は慌てて大輔さんの体温をチェックして、部屋を出た。
コンコン
「だ、大輔さん、身体拭きますね。」
「玲ちゃん、ありがとう、ちょっと恥ずかしいけど・・・」
「お風呂は入れないから気持ち悪いでしょ?」
そういいながら私は病衣を脱がせる。
大輔さんだと思うとなんだかすごくドキドキ・・・あっ、ブルーのチェックのパンツだ・・・。
私は、熱めのお湯でタオルを固く絞り、ゆっくり丁寧に大輔の身体を拭いていく。
「左腕、腫れがひいてよかったですね。」
「うん、でも右腕ギブスだし、すごい不便」
「食事はどうしてたんですか?」
「お袋に来てもらっていて、食べさせてもらってた。仕事くびになるっていって今日帰ったよ。」
「そうだったんですね、背中拭きますので身体横向いてください。」
大輔さんの背中大きい・・・
「大輔さん、学生のとき私たちの間ですごく人気だったんですよ。実は私も大輔さんに憧れていたんです。」
「えっ、玲ちゃんが俺に?」
「あの時、紗智子先輩と付き合っていたでしょ?!紗智子先輩キレイだから、かなわないって・・・あきらめてたんです。」
「紗智子とは幼馴染でただ一緒にいただけで、今はもう結婚して子供もいるよ」
「そうだったんですね。足拭きますね」
タオルを洗い、今度は足を丁寧に拭いていく。
パンツのところはどうしよう・・・。
そんなことを考えていると、
「玲ちゃん」
といきなり名前を呼ばれびっくりしてしまった。
「はい?」
「今付き合っている人とかいるの?」
「いえ、いませんけど・・・」
看護婦という仕事柄出会いがなく、時間も不規則なので彼ができにく職業なのだ。
「俺も白状するけど、学生のときから気になっていて、だけど親友の孝が玲ちゃんのこと気に入っていて、言うにいえなくてこのままになっていたんだけど・・・もし付き合っている人がいなければ、考えてくれないかな?」
「は、はい」
私は一瞬で顔が真っ赤になったのが自分でもわかった。
「ちょ、ちょっとお湯かえてきます」
といって病室を出た。
突然の大輔さんに告白驚いてしまった。
誰にもいえないことなのだか、玲の一人での相手の男は、なんと大輔を思い浮かべててやっていたのだ。
その大輔からの告白。
でも、これからすることを考えるとますます顔が赤くなる。